映画『七人樂隊』公式サイト 香港を代表する七人の監督による“香港七重奏”

「稽古」サモ・ハン監督

大家好!! 今回は私のほろ苦い思い出から……

約20年前、二度目の語学留学で広州に居た時、日本でお世話になっていた雑誌編集者の岡大さん(現「映画ナタリー」編集長)から連絡があり、「東莞で香港映画の撮影があり、そこでインタビューをするから一緒に行かないか?」という嬉しいお誘いを受けた。

広州で岡さんと待ち合わせた後、向かったのは東莞のあるホテル。そこで撮影されていたのは『SPL/狼よ静かに死ね』で、インタビューの対象者はなんと!! あの“デブゴン”ことサモ・ハン!! ドニー・イェン、谷垣健治によるアクション指導の下、ワイヤーで吊らされるサモ・ハンという貴重な場面をこの目で見た後、遂にサモ・ハンのインタビューが行われることに!! 撮影の合間で、息もあがった状態で我々の前に現れたサモ・ハン。岡さんは日本語で質問し、私が拙い北京語で通訳するという、今では考えられない状況でインタビューが始まったが、目の前に座っているカンフーマスターのオーラに圧倒され、岡さんは足が震えはじめ、私は頭が真っ白になり北京語が出なくなり、途中から岡さんは英語で直接質問をし始める始末……

こんなことがあったため、その後サモ・ハンの映画はまともに観ることができなくなり、今回本当に久しぶりにサモ・ハンが監督する『七人樂隊』の「稽古」を観た。1950年代、サモ・ハンが小さいころに受けていた「稽古」を描いた作品だ。師匠の厳しい指導の下、いかに練習をさぼるかに知恵を働かせていた少年少女が、ちょっとした事件をきっかけに考えを改め、今まで以上に練習に励む姿が映し出される。

サモ・ハン監督はインタビューで話しているとおり、この物語は彼自身が実際に体験した話である。師匠(于占元)は本当に厳しい人だったようで、生徒の中でも兄貴分であったサモ・ハンには特に厳しかったらしい。今回その師匠を演じたのはティミー・ハン(洪天明)。サモ・ハンの長男である。長男を師匠役に選んだのは「師匠と背格好が似ていた」からだとか。そしてこの作品に関わっているのは長男だけでなく、次男のジミー・ハン(洪天祥)もプロデューサー、アクション指導、編集を務め、「父が監督し、兄が出演している映画」をスタッフとして支えている。

1950年代――サモ・ハンがまだ少年だった頃の香港を『七人樂隊』「稽古」で堪能して欲しい。

サモ・ハン インタビュー映像はこちらから

『七人樂隊』宣伝担当 小西晴文


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