映画『七人樂隊』公式サイト 香港を代表する七人の監督による“香港七重奏”

「深い会話」ツイ・ハーク監督

大家好! 東京での公開まで一週間を切った『七人樂隊』ですが、その他の地域では10月14日に近畿地区、21日には中部地区、九州地区など順次公開を致します。詳しい公開情報は『七人樂隊』公式HPをご覧頂き、是非劇場にお越しください。

 今回紹介するのはツイ・ハーク監督「深い会話」。近未来の香港にある病院の一室。チョン医師が患者のチョンに「名前は?」と問いかけると、チョンはすぐさま「アン・ホイ」と答える。どう見てもおっさんにしか見えないチョンだが、自分はアン・ホイだと言い張り、終いには「マギー・チャン」と名乗りだす。そんなチョンにつられてチョン医師も次第に発言が危ういものになり、二人の会話はとんちんかんなものになる。そしてその二人の会話を、マジックミラー越しに見つめる二人の医師。しかしふたりの医師も何やら怪しい……

 ふたりのチョンによる“深い会話”は、性差問題から世界の平和問題や環境問題まで多岐にわたり、それらは現在で解決しきれずに近未来まで持ち越されたかのようだ。また、その会話にはアン・ホイ、マギー・チャン、リンゴ・ラムら実在する香港映画人の名前が出てくる。そして語られる(暴露される?)その人たちの過去…それらが事実なのか嘘なのか…何が正しくて正しくないのか…果たして白黒をはっきりさせることが良いのか悪いのかと、色々と考えさせられる。

 この一見不可解だが意味深な作品を撮ったのはツイ・ハーク。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』シリーズや『セブンソード』などワイヤーアクションを駆使したアクション映画を多数撮る一方、『金玉満堂/決戦!炎の料理人』や『恋する天使』などのコメディ作品も手掛ける多才な監督である。コロナ禍の2021年に公開された中国映画『1950 鋼の第7中隊』(現在日本でも公開中)では、チェン・カイコー、ダンテ・ラムと共同で監督をつとめ、中国だけで1150億円を超える興行収入をたたき出している。

 それにしてもこの「深い会話」は見れば見るほど面白さが増してくるように思う。私の広東語の先生(広東語の通訳として有名なあの方です)いわく、この“深い会話”には言葉遊びがふんだんに盛り込まれているとのこと。それがわからないのがとても悔しいので、広東語をもっと勉強しようと思う……

ツイ・ハーク監督コメント映像:
https://www.youtube.com/watch?v=h4hc5zPFwm0

『七人樂隊』公開劇場リスト:
https://eigakan.org/theaterpage/schedule.php?t=septet

『七人樂隊』宣伝担当 小西晴文


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